大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編④

受験生から音大生、プロになるまでのあたりのサウンドと楽器について考える4回め。 大学で誰か1人が話題の新しい楽器を買ったりすると、みんな、なんだかソワソワして、自分も買い替えたくなる気持ちは、よくわかりますよ。自分もそうだったから。藝大では過去に、何度か楽器買い替えのビッグウェーブ(笑)が到来していて、コーンだったり、クルトワだったり、エドワーズの楽器が一気に増えた時期がありました。 今はそのビッグウェーブを越えて、百花繚乱の時代か。その代わりに、学生はちゃんと相談しにきてくれるので、すごく時間をかけて考えることになります。 楽器というものは、僕のイメージでは洋服や作業着、体操着のようなもので… 続きを読む大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編④

大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編③

主に受験生から大学専攻生あたりを念頭に書いている3回目。楽器選びやサウンドの好みなど、様々な考え方があろうかと思うので、ここに書くのはあくまで私個人の見解と言うことでお願いします。 私が高校生の頃に、福岡の三好先生のレッスンで、日常的に言われていたことで、優れたプロの奏者になるためには、優れたプロの音にならなければならない。その人が持つ音そのものが最も重要である(仰り方はもう少し優しくて違ったと思う)と。これは今も私の考え方の中心にあります。 同じ楽器、同じマウスピースを使ったとしても、奏者が代われば明らかに音は変わる。奏者が同じなら、楽器やマウスピースを変えても、結局はその奏者の持っている音… 続きを読む大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編③

大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編②

前回、楽器やマウスピースの飛躍的進歩によって、昔に比べて一つの仕様あたりのフィットする奏者のタイプの幅は狭くなって来たと書きました。 それで、近年は、アマチュアの方や、プロが楽器を選ぶということと、受験生や音大生の楽器選びということの違いを考えています。 昭和の頃の音大生のトロンボーン選びというものは、ザックリ言ってみれば3種類ほどの選択肢しかなかったので、どれかの楽器をしっかり使い込んで、なんとか自分の音と、目指すプロの音の違いを見つけて、足りない部分を埋めるべく音作りをして行く作業が必要だったし、試行錯誤があって、それは今でも大切な勉強だと思う。 現代の楽器選びは、ありとあらゆる情報が溢れ… 続きを読む大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編②

大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編①

何やら回りくどい書き始めになりましたが、大学のトロンボーン教師としての考えとか、経験、知識、思いなど、その周辺域を含むあたりを徒然に書いていこうかと思います。なので、経験値を記して行くようなイメージなので、誰か特定の人を上げるようなことは避けつつ、また本人の許諾がある場合は載せたりと、柔軟にやるつもりです。 で、一本目は楽器の選び方。これについては旧ブログに苦情を言われたので、慎重にならざるを得ないところだけど、生徒の成長にとって大きな要素なので、時々取り上げたいなと思っています。 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、現在の藝大トロンボーン科の学生の使っている楽器(メーカー)は、ほぼバラバ… 続きを読む大学教師がトロンボーンの学生を教えることの周辺域 楽器編①

リニューアル

ご無沙汰しております。なかなか更新されないブログでありますが、4月からは心機一転、リニューアルして更新頻度を上げられたらなと思います。まだ3月ですが、とりえず形だけでも目新しくしてみました。 結局どこかでかつて見たような(笑)外観になってしまいました。 しれっとタイトルも昔の今風にしてみました。 またメッセージフォームが不調で、お知らせが私のアドレスに届かず、ご迷惑をおかけしているようなので、直接メールが開くようにしました。お返事できていない方にはお詫び申し上げます。申し訳ありません。 記事もとりあえず整理して減らし、また新たに出発したいと思います。 出来るだけ、今の私の考えかたや感じたことを… 続きを読むリニューアル

自己紹介(好きなものと趣味など)

私が今現在好きなものを、数にこだわらず並べてみる投稿。全体に増えました。 ■好きな音楽 クラシック、バロック、トロンボーンのソロ、アンサンブル、金管楽器のソロ、金管アンサンブル全般、クラシックオーケストラ、ポピュラーオーケストラ、ウィンドオーケストラ(古めの吹奏楽)、ムードミュージック、イージーリスニング、ジャズ、ビッグバンドジャズ、ジャズトロンボーン、サックス、ホーンセクションのある音楽、ポップス、ピアノトリオ、ボサノヴァ、ブラスロック、ロック、昭和歌謡曲、J-POP、フォーク、ニューミュージック シンフォニーはサン=サーンスの3番、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調、 ◾️好きなアーティスト・作… 続きを読む自己紹介(好きなものと趣味など)

David Foster “JT Super Producers ‘94”

1994年4月に日本武道館で開かれた、今となっては2度と実現しない夢のような豪華絢爛なミュージシャン達と新日フィルの共演でした。 セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンの生ビューティ・アンド・ザ・ビーストも、本当に素晴らしかったけど、実はドラムスのチェスター・トンプソンという方の叩き出すリズムがあまりに未体験な、重心の低い素晴らしいリズムだったので、ドラムのリズムというのは正確であれば良いと思っていた当時の自分には、本当に強烈な音楽体験だった。 ジェリー・ヘイ、ビル・ライケンバックと言ったスタープレーヤーとの交流も忘れられない、あまりに贅沢な仕事。(敬称略)