今年の入学式は桜が満開だった。ここ何年かは、入学式より早く葉桜になってしまい、地球温暖化のせいなんだろうなと想像して、なんだか晴れやかな気分も塞ぎがちになっていた。だから今年の入学式は本当に良かった。新入生の皆さん、おめでとうございます。
世間的には良く誤解を受けているようだけど、「藝大の先生のレッスンを受けないと藝大には入れない」と言うことは全く無いのです。今年もトロンボーン科には、今まで全く面識のなかった新入生が入学されました。そんな訳で今日ようやくトロンボーン科のレッスンが一巡し、初めましてのレッスンも終わった。
初めましてのレッスン一回目は、ほぼインタビューに終始する。そしてエチュードの指定と、なぜそのエチュードを使うのか、どのように目標を持って練習して欲しいのか、良く説明してコンセプトを理解してもらう。
特に重要視しているのが、なぜトロンボーンを始めたのか?、好きなプレーヤーは誰か?、また音楽会で実演を聴いてとっても感動したことはあるか?など、たくさんの事を聞きます。
何を探っているのかと言うと、プロになりたいと思ったきっかけ、動機がどのくらい強いのかを知りたいと言う事。またトロンボーン以外の演奏で感銘を受けた経験は、トロンボーンだけに興味があると言うより、音楽自体に興味がどれくらいあるのかと言う事。音楽そのものに対して興味があって、強く感動した経験があり、自分もお客さんに対してそう言う演奏がしたいと言うモチベーションこそ最も大事にしたい事。トロンボーンだけ上手になれば良いと言うよりは、音楽性、人間性含めて芸術家を目指して欲しい。
感動した経験、プロになりたいと言う動機が強いほど、弱音を吐かずに、厳しさに負けずに頑張っていける原動力となるはず。これから4年間、そんな強い思いをサポートしていければ嬉しい。