レッスンと自分の仕事

先日家の断捨離をしていた時に、若い頃のバインダー式システム手帳の使用済みリフィルが大量に出てきた。予定を書き込んだページも多かったが、レッスンの気付きをメモしたページに目が止まった。

当時のレッスンのお相手は、今ではもう立派な40〜50代の皆さんですね。読んでみると自分もずいぶん若かったなと言う書き方と内容。しかし、細かい文字でビッシリ書き留められていたメモは、今でも気付きの方向性としては何も変わっておらず、経験不足ながらも、ちゃんと生徒さんのことを見ようとしていたんだなと、ある種安心した気持ちと、今もそれほど進歩がないなと言う多少の落胆と入り混じった複雑な気持ちになった。

そう言えばレッスンをする事は、若い頃から嫌いではなく、相手の問題が解決したり、成長が傍らで見られたりして、好きだったんだなと思った。当時は特別好きとは思っていなかったけど。

若い頃の一時期、一般大学やアマチュアの皆さんのレッスンを依頼されて引き受けるのはなんだか嬉しく感じていた。それに対して受験生のレッスンを依頼されるのが嫌と言うか、かなり重荷に感じていた時期があった。今では申し訳なかったと言う気持ちと、でもレッスンではなんとか一人一人に真摯に向き合おうと努力していたと言う思いがある。今の仕事は、そんな自分のたどり着いた先としては、本当に幸運で、ありがたいと言う思いが強い。

今は専攻の大学生、高校生、それと受験生、そして社会人のレッスン生を見させていただいているが、前述の若い頃の自分では、とても今のレッスン内容には耐えられないと思う。今の私にはそれなりの経験という蓄積があり、確信を持って伝えられる事柄が増えたということであって、過去のレッスンを思い返すと、レッスン生の皆さんから私がたくさんのことを教わったことには本当に感謝しかない。

今の仕事は、他人様の人生に関わる仕事で、責任も重いと感じているが、送り出した卒業生達の様々な場における活躍を見聞きするにつけ、今のレッスン生の将来がとても楽しみだし、私自身の希望なのだなと感じている。