滋味哀愁なラーメンとヨーロッパの伝統あるオーケストラの関係性とは

一見何?ってネタですが、mixi日記にベテランリスナーのマイミクさんからいただいたコメントから思いついたネタです。

この夏は母が他界したことがあって、佐賀に行く機会が多かった。合間に食べに行くのは佐賀のラーメンと、久留米のラーメンがどうしても多くなってしまう。特に好きなご贔屓のお店もあるが、私が中学高校の頃通い詰めていた時から続く店もある。一番好きだった〇〇軒は残念ながら閉店してしまったが、そこで修行した方が店主となり各所で頑張っている。〇〇軒が閉店してしまった直後は、佐賀ラーメンの危機と思ったが、今はその当時の心配が嘘のように、百花繚乱状態へ。

佐賀ラーメンの特徴を、インターネット上で今仁さんと言う方が「滋味哀愁」と表現されて、私は今も自然とこの言葉と共に佐賀ラーメン店に向かう。

滋味とは旨い味、深い味を意味し、哀愁とは、何とは無しに悲しい気持ち、物悲しい感じ、寂しい感じなどの意味、ニュアンスのある単語。今仁氏ご本人の説明には辿り着けなかったが、GoogleのAiによると

「佐賀ラーメンの滋味哀愁は、老舗の「来来軒」のような昭和の雰囲気を感じられる店が提供するラーメンの特徴です」

さらに


「佐賀ラーメンの特徴は次のとおりです。
やや太めでストレート麺が柔らかめ
豚骨の旨味が凝縮された塩分・脂が控えめのスープ、生卵や佐賀のりのトッピングがある佐賀ラーメンは久留米ラーメンと関係が深く、特徴が似ている。」

結局「滋味哀愁」の哀愁の部分は判然としないが、久留米や長浜、熊本ラーメンには哀愁成分を感じないので、佐賀の風土を哀愁という言葉が表現していると言うことなのかもしれない。

佐賀の風土は、地理的には福岡県と長崎県という、観光地も多く、知名度も高い両県に挟まれた比較的印象に残りにくい谷間のような場所であり、地味なところというのは、地元の人達も自覚しているけど、実はそれが良いところなのだ、実はすごいということが、佐賀県民共通の認識のように思う。あくまで私の感想、私見なので、きちんと調査をした話ではありませんので、あしからず。

佐賀ラーメンの界隈はこの30年ほどの間、新しいスタイルとの融合や実験的なメニューなんかもあったのかもしれないけど、現在はどちらかと言うと、伝統的(クラシカル)かつ、モダンも程よく兼ね備えたスタイルのところが繁盛しているようだ。

そんな様子をmixi日記に東京のラーメン界隈と比較して簡単に書いた。東京は様々なスタイルの店が競争しながら発展していて、いわば競争の味がする。佐賀ラーメンは他店との競争というより、店主が信じる味の、長期に渡る継続と向上という、店主の自己との戦い、努力の結果であると思うと。

で、mixi日記に書いたところ超ベテランのクラシックやムード音楽リスナーの方からコメントをいただきました。「ヨーロッパの伝統あるオケと東京のオケを連想しました」と。

ヨーロッパの方から書いてみると、ウィーン、ベルリン、ゲヴァントハウス、コンセルトヘボウ、バイエルン放送響、ロンドン、パリなどなどなど、、、それぞれ個性的で特徴あるオーケストラだと思いますよね。程よく離れた都市ごとに、素晴らしいオーケストラが発展してきた歴史があります。

一方、東京には、10以上のプロ演奏家による(常設、非常設)オーケストラがあって、それぞれ個性的な活動をされて、一つの都市で間違いなく発展してきているわけです。

しかし、東京は世界でも有数の外来オケの演奏会が多い都市なので、過剰な競争もあるのかなと感じてます。東京のオケはすごい競争の元で頑張っていると言うのは間違い無いですね。

その昔イアン・バウスフィールドさんが、藝大で特別講座をやってくれたときに、受講者からの質問にこんな答えをされたことがあった。ロンドン交響楽団からウィーンフィルの首席に移籍された直後の話です。

(受講生)「ロンドンとウィーンの聴衆は違いますか?」

(バウスフィールド氏)「ロンドンの聴衆は1音でもミスするとブーイングだが、ウィーンの聴衆は1音でも音楽的でない演奏をするとブーイングである」

私の頼りない記憶なのでかなり曖昧だけど、大意は合ってると思う。と言うことを思い出して、ロンドンは東京のお客さんと似ているのかなと感じたのを覚えています。お客さんの耳も、ミスに厳しくなるのでしょうかね。

片や佐賀のラーメン店はさほど人口の密集していないところに、まばらに存在している印象です。それぞれ競争の意識はあるのでしょうが、各店主の思いや、拘りがこもったラーメンを提供されています。他店との競争どこ吹く風と言う感じも受けます。

結論

東京ラーメン≒東京のオーケストラ界=競争的発展
佐賀ラーメン≒ヨーロッパのオーケストラ界=独立独歩、伝統的発展

オケをラーメン店と比べるのも、かなり気が引けますが、こんなのを書くのは私だけでしょうから、読み飛ばしていただければと思います。佐賀を訪れた際は、ぜひ佐賀のラーメンを食べてみてください。