藝祭

年に一度3日間にわたって開かれる東京藝術大学の学生達による大学祭。コロナ禍の間はオンラインになったり、なかなか大変だったが、昨年あたりからフル規格近くまで規模を戻すことができて、今年はフル規格での開催となった。今日が最終日で、私は今日は非番。

私達教員や大学職員は、あれこれ学生に任せてノータッチでお休みかと言うとそうではなくて、音楽学部では、各ホールの企画書を提出してもらって、実現可能かどうかや、全体の規模に合わせた審査や演奏会の量の調整、模擬店の審査や食品衛生の管理や指導などなど、開催前から開催中、とにかく事故やトラブル、火災など起きないように運営されるよう関わるのも仕事となっています。

自分が学生の頃から比べると、今は実感としては、かなり規制でガチガチと言うのが正直なところ。もっと自由にやらせても良いと言うホンネと、今の時代は、ちょっとしたことで、多くの人から信頼を失ってしまうこともあり、やはりある程度の安全管理も仕方ないかなと思う。

今年は各演奏会の管理立ち会いの教員の在不在が、かなり厳しくチェックされている印象。空き時間に研究室にいた所に、学生が血相変えて「緊急なんですが!!」と入ってきて、ある演奏会が立ち会い教員がいなくて開かせてもらえないと言う。私が空いていれば至急来ていただけないかと言うものだったが、他のところで別の先生が捕まったと言うことで、一件落着だった。

演奏会の立ち会い教員は、もとをたどると、東日本大震災の時から、大地震の際の演奏中止の判断、また観客の皆さんへ避難かそのまま滞在かの指示のために、藝祭期間中は必ず会場で責任者としてセッティングから終演まで滞在することにはなっている。しかし、あまりに引き受けた演奏会が多くて、実際はタイムスケジュール通りには進まなかったりで、間に合わない、または掛け持ちが多すぎて失念したり。いろんな理由で監督がいない場合も少なからずあったのだ。

今年のお客様の様子を見る限り、コロナの影響は無くなったと思うけど、大学自体は小規模な大学であり、各ホールの演奏会の収容人数にも限りがあり、ネット予約を導入して、なるべく行列による熱中症などのリスクを減らす努力はやっているものの、お客様にはご迷惑をおかけしているのではないかと言う心配もあります。どうか最後まで安全に、楽しんでいただきたいと思います。

そんな中、コロナ禍で中断していた「仮装ブラス」が学生の熱意により復活したり、管打楽科の模擬店とビッグバンド「Manto Vivo」は相変わらず元気にやってます。いろんな安全対策や制限により、メニューは焼きぞばのみで、あとはソフトドリンク(アルコールは全学で1店舗のみで販売)、今年からTシャツ復活と、頑張っています。

焼き鳥のタレを長い時間かけて作り、鶏肉を学生自ら串刺しして下ごしらえしていた頃が懐かしくもありますが、今の時代、ちょっと危ない感じが強いですね。