古くて大切な手紙

自宅防音室の絶賛大幅模様替え中で、一体いつ完了するのかわからない状況な中、本棚1つとCDの入った大きな引き出し棚2台を処分するため、中身を整理して段ボールに詰めて積み上げてという作業をどうにか終わらせ、搬出までを終わらせた。

例によって、出て来た資料やら手紙やら、古い写真などに目が止まってしまい、作業効率がなかなか上がらない。

大事に保存していた手紙の中にDDR(旧東ドイツ)から届いた古ぼけた封筒が。約40年前位に届いたAlois Bambula先生からのお手紙だった。先生から頂いたお手紙は多分これだけ。今となっては貴重な形見になる品だ。我が家にはあと一つ、先生が、かつて巣鴨にあった芸大の外国人宿舎に2年間住まわれていた時に、ドレスデンから持ってこられて、帰国される際に置いて行かれた小さなワイマールの花瓶がある。

その手紙は、大型のハガキを斜めにしてビッシリと筆記体で書かれていて、私はドイツ語は勿論理解できないので、ずっとそのまま置いてあった。

長い時間が経ち、今私は芸大の管打楽科にいて、オーボエの吉井瑞穂先生と言う、ドイツ語の堪能な心強い仲間がいらっしゃるので、思い切って、読んでいただけないかお願いしてみた。

ブルーのインクの万年筆で書かれていて、色が薄く変色して来ていたところを、スマホのスキャンアプリで白黒変換して、コントラストを上げてプリントして、だいぶ判別し易くなったが、それでも判読は100%とは行かなかった。

内容は、私が20代の頃に2回、旧東ドイツのドレスデンを訪問していて、そのドレスデンで、是非お会いしたいと言う手紙に対するお返事だったようだ。

「バカンスでこの期間は自宅には居ないけど、ここにいるよ」とか、「天気が悪かったら早く戻るよ」とか言う内容。

当時、旧東ドイツや、その前後で行っていたチェコは共産圏だったこともあり、なかなか日本から簡単に電話することもできず、日本から出した封書も開封され検閲されていた。逆もまた然り。残念ながら、このお手紙は、おそらく旅行に出る前には受け取れなかったと思う。

40年も前は、今のように携帯電話もメールやLINEなども無い時代。一度日本から共産圏の国々に旅に出たら、日本に残された家族も本人が帰国するまで無事なのかよくわからなかった時代。ただし、当時のチェコや東ドイツは、旅行者にとって非常に治安は良かった。旅行途中で連絡が取れれば、旅程を変更できる今の時代のなんと自由なこと。

吉井先生によると、文章の書き方などからは、とても愛情あふれる文体で、私が先生から信頼されていたことが伝わるとのこと。もう気持ちがいっぱいいっぱいになった。いくら感謝してもしきれない。

Bambula先生のレッスンは、とても厳格で厳しく、しかし愛情に溢れたレッスンで、先生の教えを現在そのままの形で伝えるのは、なかなか難しいけど、私なりに理解しているとても大切なコアなことを、次世代に繋いでいかないといけないと、強く思った次第。

吉井先生どうもありがとうございました。