私的珈琲初めて物語

私が珈琲に目覚めたのは、おそらく大学の2年か3年の頃。それまでは一般的なインスタントコーヒーに砂糖と粉末状のクリームを入れて、、、みたいな、特にコダワリの無い飲み方をしていたのだが、あることをきっかけにレギュラーコーヒーのブラックに病みつきになった。レギュラーコーヒーのことを当欄では珈琲と記したい。

このネタは、かつて旧ブログで書いたことがあると思うので、読んだことある人は重複する内容かもしれない。あしからず。

まだまだ私がフリーランスの仕事初心者の頃、栃木県足利市の市民会館で、今となっては贅沢な音楽鑑賞教室と思うのだが、オーケストラがピットに入って、オペラ「カルメン」を何公演か演奏した時だ。1日2公演終われば、その後結構長い時間フリーになる。まだまだオケの先輩方と打ち解けたり、知り合いがいるわけではなかったので、終演後は1人で足利の街をブラブラするしかなかった。

今のように携帯もGoogleマップも、また食べログも当然なかったので、自分の鼻と勘が頼りのお散歩で、いろいろ食べ歩き出来てホント楽しかった。

足利学校がとりあえず知っている名所なので、その辺りから市内を攻略するうち、ヨーロッパ調のすごく凝った建築の珈琲の店「カフェ・ド・フルカワ」さんを見つけて、どうにも気になるので入ってみた。そこには当時オーディオ界隈では憧れの的だった、ナカミチのドラゴンという超高級カセットデッキがあって、クラシックがとても心地よい音で流れていたと思う。そう言えば新宿の珈琲店「凡」にもドラゴンがあったな。

メニューを見ても、営業時間とは別に焙煎時間が取ってあり、ものすごくコダワリのある店主さんだなと感じた。そこで何を頼んだのか覚えていないのだが、かなり濃厚な珈琲だったと思う。苦味がしっかりあってとにかく香りが芳醇で素晴らしかった。とても砂糖を入れる気にならないほどの上質な珈琲なのは私にもすぐにわかった。

そこで、濃くてすごく苦かった珈琲を飲み終わった後に、実はほのかに甘いことに気がついた。

「これか!」

これが、今に至る私の珈琲好きの始まり。私の好みの珈琲は、やはり苦味とコクとほのかな甘味、それに豊かな香りのバランス。酸味はあまり好きではない。

それから、何度かお電話にて珈琲豆を注文させていただいた。たしかいつも「香りのブレンド」というものだった。とても好きだったなぁ。

私が伺った時からは、ん十年も経ってしまったが、今現在も営業されているようだ。ネット上の情報では営業時間が午前中だったり、他の情報では午後にも営業時間が書いてあったりと、まあ行く機会ができたら事前の電話確認は必要かと思われる。

で当時、そのオペラ音教のお仕事の間に、他にも何軒か喫茶店、珈琲専門店を回ったのだが、実は足利市は珈琲好き、カフェ好きにはたまらない珈琲王国なのでありました。ごく普通の喫茶店でも1杯ずつネルドリップで淹れてくれたり、水出し珈琲だったり、小さな街は珈琲の味を普通に競い合っているハイレベルな感じだったのがとても印象的だった。

つい最近もNHKテレビのドキュメント72時間で、野外で営業されている珈琲スタンドが取り上げられていたが、他にもネットで調べてみると魅力的なカフェや老舗コーヒーショップが多数あるようだ。

今は、家で豆を挽いてペーパードリップで優雅に、というのもなかなか出来ないのだが、時間があって、好みの豆が手に入ったら、新鮮なうちに飲みきれるように頑張って淹れている。

コロナ禍前だったが、福島県伊達市の教育委員会の方が、仕事で伺った時に控え室で淹れてくださったコーヒーがことのほか美味しくて、その時伺った豆の仕入れ先、多分北海道と言われていたので、私もネットを探してみて、同じ店と言うのを願いながら北海道の珈琲豆専門店から購入しています。とても気に入ってます。

いつの日か2〜3日時間が出来たら、泊まりがけで足利市の珈琲店&カフェ巡りをやってみたい。