根無し草(一部加筆2024/10/13)

人生も進んで来ると、誰もが経験することとは分かっていたし、覚悟もしていたつもりだったが、実際に両親を亡くして感じたのは、結構大きな心の穴だった。 父は10年前に亡くなっていて、この夏母が旅立った。聞いた話によるとリリー・フランキーさんの小説の中に「母の住んでいるところが故郷である」と言うような文章があるらしいが、とても共感する話だと思う。 父が居なくなった佐賀の実家を、母が一人で守ってくれていた10年間。本当は、せめて年に2回くらいは帰省して、親孝行でもできたら良かったのだけど、私がオーケストラを退職して大学に転職してからの10年間と重なり、慣れない教員仕事に忙殺されながら、あまり帰省もできず… 続きを読む根無し草(一部加筆2024/10/13)