夢とは

ふと𝕏(旧Twitter)のメッセージを見返していて、ある都響定期会員のお方のメッセージが気になってやり取りを見返してみた。 都響を退団して大学に赴任した直後のメッセージのやり取りだったが、都響の中での私の立ち位置や仕事を、本当に的確に見てくださっていたのだなと言う、身に余るお言葉。そして退団して大学に行くことを応援してくださった内容。すごい慧眼だなと思った。 最後は「首席になれる人材を育ててください」との有り難い言葉で締めくくられていた。当時このメッセージに、大変勇気をいただき、新しい業務や職場に不安ななか、そう言う夢を持って頑張らねばと思った。 そして、今ふと気がつけばすでにそれは実現して… 続きを読む夢とは

私的珈琲初めて物語

私が珈琲に目覚めたのは、おそらく大学の2年か3年の頃。それまでは一般的なインスタントコーヒーに砂糖と粉末状のクリームを入れて、、、みたいな、特にコダワリの無い飲み方をしていたのだが、あることをきっかけにレギュラーコーヒーのブラックに病みつきになった。レギュラーコーヒーのことを当欄では珈琲と記したい。 このネタは、かつて旧ブログで書いたことがあると思うので、読んだことある人は重複する内容かもしれない。あしからず。 まだまだ私がフリーランスの仕事初心者の頃、栃木県足利市の市民会館で、今となっては贅沢な音楽鑑賞教室と思うのだが、オーケストラがピットに入って、オペラ「カルメン」を何公演か演奏した時だ。… 続きを読む私的珈琲初めて物語

私的2024年振り返り

昨年の予定表を見ながら、思いつくまま書いてみます。記憶力がこの歳で既にアレなので、記録を見返すと、さまざまな場面でいろいろな方に助けていただいたことを次々思い出します。関係者の皆様、その節は本当にありがとうございました。 それでは、大学のお仕事から。今年度は主任と教務委員を外れることが出来て、私の頭脳、能力以上の困難な業務は回って来ないものと油断していたところ、シラバスの大規模な改定の、実技系の科のリーダーっぽいことを任され、これには内容の難しさから正直絶望的な感情しか湧かなかった。しかし、管打楽科の先生方と助手の皆さん、それから、他科の先生方の総力を上げた作業で、なんとか乗り切ることが出来て… 続きを読む私的2024年振り返り

音にこだわる

過去の受験生のレッスンの中で、メッセージとして受験生とやりとりした、自分が書いた方の文章で、少しハッとしたものがあったので、載せます。(自分の方の文章なので、相手方の承諾は取っていません。あしからず。)相手はプロを目指す生徒さんです。 (音を良くしていくためには)自分の音の良いところに気づき、自分の音を好きになること、とても大事です。ネガティブな部分は聞かなくて良いです。もし自分の音が嫌いなら、それを売り物にしてプロになるのは不可能です。もちろん他人に対して「自分の音が大好きです」とことさら言う必要はありませんが、自分の気持ちの中で、自分の音を好きになって欲しいと思います。自分の音を好きになる… 続きを読む音にこだわる

録画審査の雑感

(𝕏(旧Twitter)に分割して投稿したものに加筆しました。) コロナ禍以降、録音や映像によるオーディションやコンクールの一次審査が増えてきた。一時CDによる録音の提出を求められる事があったが、今はビデオに収録して、YouTubeに限定公開をしてもらい、映像の編集をしていないことを確認しつつ、演奏を聴かせてもらう審査となり、応募する側の負担は本当に増えてしまった。 オーケストラのオーディションの一次審査で出された一例だけど、ソロ曲(David)1楽章とボレロなどのオーケストラスタディ数曲を、多少休みを入れても良いが、画面のフレームから出ることなく無編集で収録することと条件がつくこともあり、演… 続きを読む録画審査の雑感

お礼

湿っぽい話を書いた後に、何人かからブログ読みましたと、ありがたいお話をいただきました。こんな個人的な取り止めもないことを書いているところを気に留めて頂き本当にありがとうございます。 思えば、2000年に都響に移籍した時から始めた日記風コラムみたいな雑文の投稿ですが、初めの頃は、自己紹介と、トロンボーン界隈に何か役立つことを書けないかと思ってやっていましたが、今は既にネット上でお役立ちの記事は溢れていて、自分のやる事は、もうないなと思っていたところでした。 しかし、今の自分の心境や、心に響いたことなど、また過去の仕事などを見つけたら投稿してみたいなという気持ちになって来ました。 もしも読んで良か… 続きを読むお礼

根無し草(一部加筆2024/10/13)

人生も進んで来ると、誰もが経験することとは分かっていたし、覚悟もしていたつもりだったが、実際に両親を亡くして感じたのは、結構大きな心の穴だった。 父は10年前に亡くなっていて、この夏母が旅立った。聞いた話によるとリリー・フランキーさんの小説の中に「母の住んでいるところが故郷である」と言うような文章があるらしいが、とても共感する話だと思う。 父が居なくなった佐賀の実家を、母が一人で守ってくれていた10年間。本当は、せめて年に2回くらいは帰省して、親孝行でもできたら良かったのだけど、私がオーケストラを退職して大学に転職してからの10年間と重なり、慣れない教員仕事に忙殺されながら、あまり帰省もできず… 続きを読む根無し草(一部加筆2024/10/13)

滋味哀愁なラーメンとヨーロッパの伝統あるオーケストラの関係性とは

一見何?ってネタですが、mixi日記にベテランリスナーのマイミクさんからいただいたコメントから思いついたネタです。 この夏は母が他界したことがあって、佐賀に行く機会が多かった。合間に食べに行くのは佐賀のラーメンと、久留米のラーメンがどうしても多くなってしまう。特に好きなご贔屓のお店もあるが、私が中学高校の頃通い詰めていた時から続く店もある。一番好きだった〇〇軒は残念ながら閉店してしまったが、そこで修行した方が店主となり各所で頑張っている。〇〇軒が閉店してしまった直後は、佐賀ラーメンの危機と思ったが、今はその当時の心配が嘘のように、百花繚乱状態へ。 佐賀ラーメンの特徴を、インターネット上で今仁さ… 続きを読む滋味哀愁なラーメンとヨーロッパの伝統あるオーケストラの関係性とは

藝祭

年に一度3日間にわたって開かれる東京藝術大学の学生達による大学祭。コロナ禍の間はオンラインになったり、なかなか大変だったが、昨年あたりからフル規格近くまで規模を戻すことができて、今年はフル規格での開催となった。今日が最終日で、私は今日は非番。 私達教員や大学職員は、あれこれ学生に任せてノータッチでお休みかと言うとそうではなくて、音楽学部では、各ホールの企画書を提出してもらって、実現可能かどうかや、全体の規模に合わせた審査や演奏会の量の調整、模擬店の審査や食品衛生の管理や指導などなど、開催前から開催中、とにかく事故やトラブル、火災など起きないように運営されるよう関わるのも仕事となっています。 自… 続きを読む藝祭

師匠の言葉

ご無沙汰してます(笑)忘れられた頃に何となく更新するスタイル。 自分が心から尊敬する先生方にレッスンしていただいていたのは、すでに40年以上前となり、記憶としては、もともと記憶力が良くない自分なので、放っておくと消えていく一方なわけです。 と言うことで、うっすらした記憶の中を辿りながら、自分が受け取った大事なものを次に渡せるのかと言うテーマを取り上げてみます。 大学で師事していた永濱幸雄先生の言葉。 「大学2年から3年にかけて、大きく変わることが出来たら卒業してから(プレーヤーとして)モノになりますね」 藝祭の最中、賑やかな中レッスンしていただいた時に、外から聞こえて来たmanto vivo(… 続きを読む師匠の言葉