年末に不慮の事故で亡くなってしまった、古くからの友人で、オケマンの先輩Rさん。私が大学2年か3年の頃、初めて新日フィルの演奏旅行に呼ばれて、Rさんも参加でお互い初対面のエキストラとしての帯同だったこともあり、その時に声をかけていただいて、仲良くさせていただきました。年は違うけど、よく気が合いました。
演目は小澤征爾さんの指揮で、リヒャルト・シュトラウス のドンキホーテだったと思いますが、大学生の自分が、またまだプロオケ経験も皆無で、右も左も分からず、しかも小澤さんの指揮なので、ものすごく緊張していて、ただただオロオロしていた所、気にかけて優しい言葉をかけてもらえて、何とかプレッシャーに押し潰されずに演奏できました。
そんなRさんは優しくて、人懐っこくて、おしゃべりが好きで、お酒が好きで、人が好きで。いろんな人の面白いエピソードを本当に数限りなく覚えていて、飲みに行った席で、Rさんの昔話を聞くのが本当に楽しくて好きでした。ご自分のまわりの出来事も本当に良く覚えていて、記憶力がすごいなと、いつも驚かされました。
私が新日フィルを離れても、家族同士での付き合いは続きましたが、引っ越しでお互いに住む場所が離れてからは、疎遠になってしまいました。
私が新日フィルに復帰させてもらったのを本当に喜んでくれていました。世の中的にはRさんの年齢では、本当に短い人生だったと言うことになるのかと思いますが、むしろお疲れ様でしたと言う言葉の方が相応しいような、人のために一生懸命働いて下さった人生だったのかなと思います。心からのご冥福をお祈りしています。