私のトロンボーン遍歴 1

仕事上、大学関係からの原稿のご依頼をいただくことも多く、多くは挨拶文だったりする。この夏の宿題は自分とトロンボーンの関りについて書くというお題だったので、書き出したら意外とたくさんのことが出てきて、指定文字数に収まるよう推敲して内容を吟味する感じの作業となった。

私は、ご覧の通り文章を書くのは得意ではないし、前サイトでは文章のクオリティについての苦情をいただいたりしたので、このブログでは作文にあたっては多少慎重にならざるを得ないところ。しかし個人の記録ということで、ある程度ご容赦を願えればありがたいと思っています。

それで、今回はその「トロンボーンと私」というテーマで書かせていただいた文章から推敲して、泣く泣く削除した分をこちらに書きます。

【私のトロンボーン遍歴ジャズポピュラー編】
実は、私はクラシック音楽からトロンボーンにのめり込んだのではなく、初めはジャズ・ポピュラー系の音楽からトロンボーンが好きになり夢中になりました。昭和51年、中学校の吹奏楽部でトロンボーンを始めた時に、佐賀市のレコード店でトロンボーンを吹く姿がとても印象的なジャケットの、向井滋春さんのLPレコード「For My Little Bird」を見つけて、生まれて初めて買って聴いたトロンボーンのLPレコードの、向井さんの演奏のカッコよさや音楽性、そして変幻自在なサウンドに夢中になりました。そしてトロンボーンというのは、スライドという不自由な機構なのに、上手くなればソロとしてほかの楽器と自由に渡り合えるのかと驚いた記憶があります。

昭和50年代といえば、現代のようにインターネットもありませんし、特に地方在住者にとって新しい音楽に触れる手段というのは、上記のようにレコード店で見つけるか、FMラジオとテレビ番組が頼りでした。ラジカセはありましたが、家庭用のビデオ機器もまだ存在しておりませんので、FM番組をカセットテープに録音して後で何度も聴き返すか、リアルタイムに放送されているテレビの映像を、ただただ見聴きするだけということが多かったです。

当時テレビでは歌謡曲や演歌の歌番組が頻繁に放送されていました。歌番組の歌手のバックでは、生のビッグバンドが演奏しており、私は歌は聴かずに後ろのトロンボーンパートだけを聴いて覚えて真似して吹くということをやってました。今ではカラオケが主流となってしまいましたが、ほとんどの生放送の歌番組では、ビッグバンドが歌手の伴奏をしているという、なんとも贅沢な時代でした。

そんな中で、私はポピュラーのオーケストラの伴奏で演奏される美しいトロンボーンのソロや、ビッグバンドの中で演奏されるトロンボーンのソロやセクションプレイに、惹かれていきました。主にムード音楽やイージーリスニングと言われるジャンルの音楽や、映画音楽のサウンドトラックですが、私が敬愛してやまないのは、ヘンリー・マンシーニという作曲家とマンシーニにいつも指名されて演奏していたディック・ナッシュというトロンボーンプレーヤーです。ディック・ナッシュのソロやセクションプレイは、ヘンリー・マンシーニの作品には、ほとんどと言っていいほど出てきますので、中でも特に「ティファニーで朝食を」や「グレン・ミラー物語」などをご覧になるとナッシュの演奏に触れることが出来ます。

ほかにもオーケストラとしてはパーシー・フェイスが率いるオーケストラや、ベルト・ケンプフェルトというドイツ人のトランペットプレーヤーで作編曲家のオーケストラもよく聴きます。ちなみにケンプフェルトのオケでは、ジグス・ウィグハムという現在もジャズ界の重鎮として活躍中のジャズトロンボーンプレーヤーがソロを残されています。

気が向けば次回からお気に入りの演奏について、書いてみようかと思っています。

私のトロンボーン遍歴 1” に2件のコメントがあります

  1. ”お気に入りの演奏編”是非、拝読したいと思います。
    ずばりブラスだけの編成によるビッグ・バンド、ヘンリー・ジェロームのブレイズン・ブラスとか、マニー・アルバムがサックス・セクションの代わりにフレンチ・ホルンを使ったバンドなど、昔は興味ある録音がいろいろと個人的にはありました。

  2. 飯豊様
    コメントいただきありがとうございます。なかなか筆が進まなくてすみません。自分の知るところをぼちぼち更新できればと思います。

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