バンブーラ先生②

バンブーラ先生が来日される前に、大学よりおびただしい数の作曲者名やエチュードが書かれたリストが、学生達に見せられた。レッスンで勉強する予定曲のリストだと聞いて、気が遠くなる思いだった。一体どれだけ厳しい先生なのだろうかと、不安になった。自分は英語も喋れないし。

バンブーラ先生は当初ご夫婦で来日された。今はもう無くなったが巣鴨に外国人教師の官舎があって、そこに居住されることになった。奥様は全く言葉の通じない日本での生活がご負担になってしまい、在任途中で東ドイツへ帰国されてしまった。

バンブーラ先生の第一回目のレッスンは、なんと歯科、口腔衛生の講義。日本大学のドイツ文学の教授、宍戸孝実先生がいらしてくださり、通訳をしてくださったので、意思の疎通も上手くいって、内容もとてもよく理解できた、、、と思うはずなのだが、なぜか自分の記憶に初回の講義の半分以上の記憶がない(汗)。授業の関係で途中参加だったので聞いていなかったのだと思いたい。

とにかく歯と歯茎を大事にせよという、72歳まで現役オケプレーヤーだったバンブーラ先生からの、この上なく強烈なメッセージだった。

宍戸先生にはこの後も折に触れて本当にお世話になった。本当に感謝しかない。

トロンボーン科の2年と3年がレッスンを受けることになり、結果的に私の学年2年生は2年間見ていただくことになった。上下の学年は1年ずつだった。私にとってはオケマンを目指そうと強く意識し始める大きな2年間となった。

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